もの忘れ外来

もの忘れとは

物忘れ年をとっていく度に増えてしまうのがもの忘れです。大切な約束を忘れてしまった、いつも通い慣れているはずの道がわからなくなってしまった、何度も同じことを聞いてしまうといったことも、物忘れには含まれます。

ただ、このような症状は、年齢相応の物忘れ、軽度認知障害(MCI:健常と認知症の中間段階)や認知症の初期段階の可能性も考えられますので、もの忘れの原因を見定める診断が非常に重要です。当クリニックでは「もの忘れ」が増えたという方を対象にした脳画像検査や神経神学的検査なども行い、MRIを用いた早期アルツハイマー型認知症診断システム「VSRAD」を用いた検査も行います。

VSRAD(Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer’s Disease)は、MRI画像解析ソフトです。このソフトを用いることで、アルツハイマー型認知症の特徴である脳の萎縮(なかでも海馬の部分)の程度を調べることが容易にできるようになります。これはMRI検査のオプションになります。50歳以上の方が対象で、物忘れが気になるという方は、一度この検査をすることをおすすめします。

このような症状がみられたら、ご相談ください

  • 物の名前が思い出せなくなった
  • しまい忘れや置き忘れが多くなった
  • 何をする意欲も無くなってきた
  • 物事を判断したり理解したりする力が衰えてきた
  • 財布やクレジットカード等、大切な物をよく失くすようになった
  • 時間や場所の感覚が不確かになってきた
  • 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
  • 慣れている場所なのに、道に迷った
  • 薬の管理ができなくなった
  • 以前好きだったことや、趣味に対する興味が薄れた
  • 鍋を焦がしたり、水道を閉め忘れたりが目立つようになった
  • 料理のレパートリーが極端に減り、同じ料理ばかり作るようになった
  • 人柄が変わったように感じられる
  • 財布を盗まれたと言って騒ぐことがある
  • 映画やドラマの内容を理解できなくなった

など

当院での治療の特徴

1.日本認知症学会 専門医・指導医による治療

日本認知症学会 専門医・指導医による治療埼玉医科大学総合医療センター神経内科認知症外来や小川赤十字病院物忘れ外来を担当してきた院長が、日本認知症学会専門医・指導医としてきめ細かい治療を行っています。豊富な経験をもとに生活面で困っていることに対するアドバイスも行っています。

2.MRIを用いた早期アルツハイマー型認知症診断システムVSRAD(ブイエスラド)導入

1.5テスラ Vantage Elanアルツハイマー型認知症は、海馬をはじめ脳の萎縮の程度を調べることで早期の発見が可能です。こうした脳の萎縮を容易に調べることを可能にしたのが、MRI画像解析ソフトであるVSRAD(ブイエスラド)です。結果は検査後すぐにお伝えしています。

3.介護福祉士1名、認知症介助士3名が在籍

介護福祉士が必要に応じて、本人や家族の今後の生活の不安や疑問への対応をさせていただきます。
また、患者様とご家族が安心して診療を受けられるよう、スタッフ3名が認知症介助士(日本ケアフィット共育機構)資格を取得しています。認知症に対する幅広い知識をもとに、お気持ちに寄り添った丁寧で的確なサポートを心がけています。

外来の流れ

1問診

詳しく今までの症状をお聞きし、必要に応じ記憶力のチェック(長谷川式簡易知能スケールなど)、診察を行います。

2検査

当院はMRIを完備しておりますので、MRIとVSRADを施行いたします。MRIにて脳梗塞などの疾患も判定します。VSRADを中心に脳の萎縮を評価。また必要に応じ血液検査も施行いたします。(ビタミン欠乏や甲状腺機能の障害を否定するため)

3結果説明

MRIは検査後すぐに結果をわかりやすく丁寧に説明させていただきます。

4診断・治療

当院ではMRI検査後、同日に診断、治療開始をいたします。

脳ドックでもの忘れの原因を特定し、早期発見・早期治療へ

もの忘れは、日常的にもよくありますが、初期の認知症や脳疾患によって起こっている可能性もあります。こうした場合には早期の対応が不可欠ですが、正確な診断には高度な検査が不可欠です。当院では、もの忘れの原因を特定して適切に診断するための脳ドックを行っています。脳ドックでは、MRIで脳疾患の有無を、VSRADで脳の萎縮を調べているため、リスクについても評価可能です。検査後はすぐに結果をお伝えして、適切な治療についてご説明しています。

運転免許更新に関する診断書作成について

平成29年3月12日より改正道路交通法が施行され、75歳以上の高齢者の運転免許証の更新に際しては警察などで認知機能検査が必ず行われます。そこで認知症の疑いありと判断されると医師の診断書の提出が必要となります。その際に認知症かどうかの判断が必要となり、かかりつけ医の先生では対応が困難な場合があります。当院では診察、MRIや血液検査など必要な診療と専門医による判断により診断書を作成いたします。特に初診でも予約は必要ありませんので、直接ご来院ください。

採血による認知症リスク測定検査(アポリポ蛋白Eの測定)

当院にて測定可能です。アポリポ蛋白Eはアポリポ蛋白ε遺伝子にてつかさどられる蛋白であり、その種類によってアルツハイマー病発症リスクを評価できるとされております。その結果ε4という遺伝子を持っていると3-12倍リスクが高いとされています。少量の採血で検査可能ですが、自費診療であり、当院では25000円にて行っております。

※APOE遺伝子検査はアルツハイマー病の発症のリスクを調べるものであり、将来の発症の有無を判定するものではありません。

またε4遺伝子型があったとしても、必ずしもアルツハイマー病を発症するわけではありません。

アルツハイマー病の発症は遺伝的要因以外に加齢や生活習慣なども関係しています。また、糖尿病や高血圧がアルツハイマー病のリスク因子と言われています。

生活習慣の改善など適切な予防を行えば、アルツハイマー病の発症を防ぐことや遅らせることができると最近の研究でわかっています。

アルツハイマー病発症と関係の深いAPOE遺伝子検査を受け、リスクを知り予防に繋げましょう。

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お問い合わせ TEL:0493-35-3535